凸版印刷と三菱ケミカルグループ、共栄社化学がプラ包装材料リサイクルの実証実験へ

凸版印刷と三菱ケミカルグループ、共栄社化学がプラ包装材料リサイクルの実証実験へ

製造工場から出る廃材を活用、27年度の社会実装目指す

凸版印刷と三菱ケミカルグループ、共栄社化学の3社は6月22日、包装材料の製造工場から出る廃プラスチックを原料として使い、同じ種類の製品に作り替える「水平リサイクル」を実施することを目指し、マテリアルリサイクル生産プロセスを共同開発する契約を3月15日付で締結したと発表した。

3社は6月、生産実証プロセスの原理検証機の導入を含む、マテリアルリサイクルの生産プロセスの実証試験を開始する。


(プレスリリースより引用)

マテリアルリサイクル技術は、プラスチック複合素材の包装材料を剥離・脱墨(インキや接着剤の成分を取り除く工程)・分離し、素材別の樹脂として取り出すことが可能。分離して取り出された各々の樹脂は品質劣化が少なく、リサイクル樹脂として洗剤やシャンプーなどのトイレタリー製品、食品の包装材に使用するフィルムの原料としての利用を検討している。

3社はマテリアルリサイクルされたプラスチックフィルムの生産プロセスを開発し、2027年度の社会実装を目指す。

近年、地球温暖化対策や石油資源の有効活用の観点から、廃プラスチックを焼却処理するだけでなく原材料として再利用するリサイクルのスキームを構築することが喫緊の課題となっている。プラスチック複合素材を使用した包装材を、水平リサイクルする場合、包装資材に利用可能なフィルムに再生することに課題があった。

トイレタリー製品や食品などに使用されている複合プラスチックフィルムを粉砕し薬剤による処理などを行うことにより、リサイクルが可能なポリオレフィンやポリアミドなどの単一素材に分別する技術を3社が共同で開発。単一素材化し再生された樹脂は、包装用途のプラスチックフィルムに使われる。

(藤原秀行)

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