【独自取材】souco、ロジスティクス領域のAI活用に関する分析リポートを無償公開

【独自取材】souco、ロジスティクス領域のAI活用に関する分析リポートを無償公開

世界のソリューション市場が2兆円超と展望、積極的な取り組み推奨

倉庫の空きスペースと保管を希望する荷物のマッチングサービスを展開しているスタートアップ企業のsouco(東京都千代田区麹町)は11月20日、ロジスティクス領域でのAI(人工知能)活用に関する独自の分析リポート(ホワイトペーパー)の無償公開を自社ホームページで開始した。

「ロジスティクスと人工知能(AI) 2020年のトレンド」と題するホワイトペーパーは、世界中のロジスティクス企業がロボット導入などのDX(デジタルトランスフォーメーション)施策を進めた結果、「サプライチェーンのパフォーマンスを最大化するための次なるステップはAIを利用することにある」と指摘。

サプライチェーン向けのAIを活用したソリューションの世界市場規模が2027年までに218億ドル(約2兆2500億円)に達するとの予測を紹介し、読者にもロジスティクス領域でのAI活用へ積極的に取り組むことを推奨する姿勢をにじませている。


ホワイトペーパーの表紙(souco提供・クリックで拡大)

ホワイトペーパーはsoucoが19年10月以降、その時々で強い関心を持たれているテーマについて随時解説しており、物流効率化を後押ししていく狙いがある。

今回のホワイトペーパーは、AI導入について「基本的には現在のロジスティクス活動を隅から隅まで大幅に強化し、日常的な定型的業務をなくすことによって人的効率を高める可能性がある」と歓迎。海外の調査結果からロジスティクス企業の63%がビッグデータとAIを利用することで輸送オペレーションを一層スマート化できると考えていることなどに言及した。

さらに、マッキンゼー・アンド・カンパニーが18年に行った調査で、ロジスティクス企業が自社のプロセスにAIを採用することで生まれる経済価値は年間1兆3000億~2兆ドル(約132兆6000億~200兆円)と見積もっている点などにも触れ、AI導入がさまざまな非効率を打開していくことに強い期待を示した。

ロジスティクス業界で実際に進められているAIの利用ケースも列挙。例えば、フェデックスとマイクロソフトが共同開発した貨物管理のソリューションは、貨物の追跡情報をほぼリアルタイムで分析、ロジスティクスと在庫管理の精度向上を図っているという。アマゾンは倉庫で働くスタッフをカメラなどでチェックし、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ソーシャルディスタンスを確保できているかどうかを見極めている。

最後の締めくくりで「理想としては、反復的で労働集約的なタスクを減らすことで、AIよりも人間の方が秀でている仕事、つまり情報に基づく意思決定、顧客との個別化されたやり取り、革新的なサービス・製品の創出に労働者が集中できるような変化を起こす」と展望した。

(藤原秀行)

ホワイトペーパーのダウンロードはコチラから(soucoホームページ、企業名などの情報入力が必要)

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