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セイノーHDとエアロネクスト、北海道・上士幌町で日本初の個人宅向けドローン配送実験を公開

セイノーHDとエアロネクスト、北海道・上士幌町で日本初の個人宅向けドローン配送実験を公開

牧場でステーキを届ける新たな観光商品開発も、実用化目指す

セイノーホールディングス(HD)とドローン開発を手掛けるエアロネクストは10月7日、北海道上士幌町で、ドローンを活用した複数の先進的な実証実験を行ったと発表した。日本で初めて、ドローンを使い住民の個人宅へ直接荷物を届けることに成功した。

上士幌町とセイノーHD、エアロネクスト、電通は今年8月、ドローンを含む次世代高度技術を活用した「持続的な未来のまちづくり」に関する包括連携協定を締結しており、今回の実験もその一環。実験には経済産業省北海道経済産業局、地元企業の1karchなども参加した。

10月6日には2種類の実験の様子をメディアに公開した。まず、東京ドーム358個分に相当する約1700ヘクタールと日本一広い公設牧場のナイタイ高原牧場で、ドローンを活用した新たな観光商品開発の実証実験を展開。コルソ札幌協力が監修し、ナイタイテラス内にグランピング特設サイトを作り、利用者がオーダーしたドリンクと十勝ナイタイ和牛ステーキを麓からドローンで配送した。

その後、町市街地から離れた農村地域に住む交通弱者への買物支援を想定し、食料品をドローンで個宅へ配送する実証実験を行った。廃校となった旧小学校の建物に地元スーパーの荷物を一時在庫した上で、注文のあった商品を購入者の自宅敷地内にドローンで直接配送した。

実験に協力した、上音更地区に住む大道家は町がICT活用による地域住民の生活サポートとして実施している「予約制福祉バス」の実証に参加しており、町が貸与しているタブレットからバスを予約し、サークル活動などで市街地までの足として利用しているという。今回は、大道家自身がタブレットから、あらかじめ用意された地元スーパーの食料品の詰め合わせを注文できるアプリを活用し、「ごはんセット」を購入。約2分後には自宅前にドローンが着陸し、大道家に届けた。


ナイタイ高原牧場を飛行するエアロネクストの最新物流専用ドローン


グランピングサイトにドローンでドリンクや十勝ナイタイ和牛をデリバリー


実験に使ったドローンとの写真撮影に応じる(左から)1karch・千葉与四郎代表取締役、エアロネクスト・田路圭輔代表取締役CEO、上士幌町・竹中貢町長、セイノーHD・河合秀治執行役員


上音更地区を飛行するドローン


「ごはんセット」を自宅前に届けて飛び去るドローン


ドローン宅配された荷物をスタッフから受け取る大道さん

ドローン宅配の実証実験は、セイノーHDとエアロネクストが開発を推進している、ドローンによる配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub」(スカイハブ)の社会実装を目指して実施した。

10月7~10日の間は、上音更地区の複数の個宅を対象に、引き続きドローン配送を実施するのと併せて、やはり日本で初となる牛の検体をドローンで配送する実証実験にもトライする。ノベルズの協力を得て、牛の乳房炎の検体(乳汁)の配送を目指し、温度管理・振動・ドローン配送と陸上輸送との連携・配送後の検査品質評価などを実証。配送などの面で課題が多い畜産業界全般におけるスマート物流の実装可能性を検証する。

ドローン配送は今後、上士幌町で実用化を目指す。11月ごろからは物流インフラとしてのSkyHub導入の第一歩として荷物を集積し一時保管する専用施設「ドローンデポ」を市街地に設置し、地上配送と将来のドローン配送を想定した買物代行サービスから開始する予定。

(藤原秀行)

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