経産省、半導体材料など3品目の韓国向け輸出管理厳格化を正式解除

経産省、半導体材料など3品目の韓国向け輸出管理厳格化を正式解除

「案件ごと許可申請」を「要件満たせば一定期間分まとめて申請可能」に

経済産業省は3月23日、半導体材料など3品目を対象とする韓国向け輸出の管理厳格化措置を同日付で解除したと発表した。外為法の通達を改正した。

3品目は半導体の製造に必要なフッ化水素とレジスト(感光剤)、有機ELパネルに用いるフッ化ポリイミド。これまでは個別の輸出案件ごとに経産省へ許可を求めることが必要だった。通達の改正により、企業が輸出管理に関する内部規定整備や事前の実地調査など一定の要件を満たせば一定期間分をまとめて申請、許可を得られる対象に戻した。

日韓両政府が3月、局長級対話を開催し、協議した結果、日本側は韓国当局の輸出管理状況が改善したと判断。韓国政府は3月16日、日本の輸出管理厳格化措置撤回を求めてWTO(世界貿易機関)に提訴した件について、提訴を取り下げる方針を表明した。

日本政府は2019年7月、韓国側の貿易管理体制が不十分で安全保障上の懸念が払しょくできないとの理由から、3品目を韓国へ輸出する際の許可手続きを厳格化していた。

同じタイミングで、日韓両国間で懸案だった「徴用工訴訟問題」で韓国政府が解決策を取りまとめたが、経産省は厳格化措置の解除とは無関係との従来見解を崩していない。

一方、経産省が厳格化と併せて実施した、軍事転用の恐れが低い製品や技術の輸出手続きを簡略化する優遇国「グループA(ホワイト国)」から韓国を外した件については、日韓間で対話を継続する。

(藤原秀行)

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