関西圏の大規模物流施設、3月末時点の空室率は2.7%に上昇

関西圏の大規模物流施設、3月末時点の空室率は2.7%に上昇

JLL調査、内陸エリアは4%台

JLL(ジョーンズ ラング ラサール)が5月22日公表した関西圏の大規模な賃貸物流施設市場に関する調査結果によると、2023年第1四半期(1~3月)の期末時点の空室率は2.7%で、前期(2022年10~12月)から0.8ポイント上昇した。前年同期比でも1.2ポイント上がった。

ベイエリアは前期から変わらず1.4%だった一方、内陸エリアは1.8ポイント上昇し4.3%に達した。

新規供給は2棟・16万2000㎡で、総賃貸可能面積は前期比3%増の596万5000㎡に上った。

ネットアブゾープション(吸収需要)は新規、既存の両物件に対する需要の影響でプラス10万9200㎡。JLLは「空室が長期化していた物件でテナントが決まるなど需要の底堅さが見られた。新規供給予定の物件も好立地の物件についてはテナントの内定が進んでいるもよう」と指摘した。

期末時点の坪当たり月額賃料は4072円で、前期比ほぼ横ばい、前年同期比で0.2%アップとなった。

JLLは「新築物件の高水準な賃料が既存物件にも波及し、全体の賃料を押し上げる状況が続いている」との基本的な見解を堅持した一方、「物件の供給エリアが賃料の安い周辺部へ広がっていることでエリア全体の賃料上昇を抑制している」との見方を示した。

今後については「ベイエリアおよび内陸エリアで複数大型案件が進んでおり、空室の増加傾向が続くと見込まれる。空室率は3~4%程度に上昇すると見込んでいるが、好立地の物件については、空室はほとんど発生しないと予想される」と展望した。

調査対象は近畿2府4県で2000年以降に竣工した延べ床面積5万㎡以上の賃貸物流施設。


(JLLプレスリリースより引用)

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事