仏エグゾテックの倉庫自動化システム、今後の成長で「日本が非常に大きな役割を果たす」

仏エグゾテックの倉庫自動化システム、今後の成長で「日本が非常に大きな役割を果たす」

ムランCEOが展望、需要獲得に自信

フランスの新興ロボットメーカーExotec(エグゾテック)のロマン・ムラン共同創業者兼CEO(最高経営責任者)は6月28日、日本法人のExotec Nihon(エグゾテック二ホン)が東京都江東区新木場に新設した倉庫自動化ソリューション「Skypod(スカイポッド)システム」の実機を常設展示するショールーム「東京デモセンター」をメディアに公開したのに際し、現地で記者会見した。

ムランCEOは、2017年にSkypodシステムが初めて稼働を始めて以降、着実に利用が広がっていると説明。事業として今後も成長が見込まれると自信をのぞかせるとともに、その中でも日本の物流現場へのSkypodシステム導入がさらに拡大していくとの見方を示し、需要獲得に自信をのぞかせた。

併せて、倉庫のロボティクスプロバイダーとして2025年にトップを目指すとの従来の目標にあらためて言及した。


会見したムランCEO

ムランCEOは、Skypodシステムで商品の入出庫を担うロボットの走行距離は累計で2800万kmを超え、月と地球の間を37往復する距離に相当していると説明。製造したロボットは5000台を突破し、欧米や日本の倉庫約100カ所で使われていると実績を強調した。

「当社は今年も非常に強力な成長を遂げている。大きな市場が広がっていると思っているし、大きな市場にぴったりのプロダクトを持っていると自負しているので、会社がどんどん成長していくストーリーを描けると確信している。その中で日本が非常に大きな役割を担っていくだろうということも確信している」との見解を示した。

Skypodシステムの優位点について問われたのに対し、ムランCEOは「ロボットが高さ12mまで登っていけるため、非常に高密度の保管が可能。1時間当たり400ビン(専用コンテナ)の取り扱いまで対応できる」とアピール。

「ハードウエアとしても非常に良い造りのものができているが、何といってもソフトウエアの力が大きく、差別化を図ることができている。最適解を常に探してロボットを動かしている。当社の研究開発においてソフトウエアの比率が全体の7割を占めている」と解説し、技術力の高さと顧客の事業成長に伴う出荷量増大にも柔軟かつ迅速に対応できる点をポイントとしてPRした。

会見に同席したExotec Nihonの立脇竜社長は、日本で年間売り上げ300億円、物流マテハン業界のトップ5入りを目指すとの方針をあらためて表明。

「決して夢物語ではない。SkypodシステムはBtoB、BtoCの両方に1つのシステムで対応できる。市場が変化していろんな形のビジネスモデルが生まれてきても、すぐに柔軟に対応できるのが大きな特徴だ」と自社の強みを説明した。


会見した立脇社長

(藤原秀行)

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