商船三井、次世代型浮体式洋上風車を開発するオランダ企業に出資

商船三井、次世代型浮体式洋上風車を開発するオランダ企業に出資

発電効率改善と期待、部品輸送などの事業機会獲得目指す

商船三井は9月11日、次世代型浮体式洋上風車を開発するオランダのスタートアップTouchWind(タッチウインド)に出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。


TouchWindの浮体式洋上風車のイメージ(いずれも商船三井提供)

TouchWindが独自に設計・開発する次世代型浮体式洋上風車は、ローターを傾斜させることで、大規模なウィンドファーム(複数の風力発電機が立地するエリア)で発生しがちな風車間の風の干渉を低減し、ウィンドファーム全体の発電効率を改善するとみている。強風での運転、風車と浮体部分の重量低減も可能で、風車の設備利用率の向上、製造・運転・保守コストの軽減、総発電コストの低減が期待されている。

2019年にオランダ政府からの補助金や賛同企業の協力を得て、特徴的な風車の原理を実証する試験を行ってきた。その後、オランダ政府企業局(Netherlands Enterprise Agency)から補助金を受け、ローター径6mの風車(出力12kW)を最大10基製作し、2024~25年にかけて同国内の陸・海上で、風車間の風の干渉を低減する効果検証試験を行う予定。

商船三井はTouchWindへ出資することで、同社の風車実用化に向けた技術開発を進め、将来は欧州をはじめ日本を含むアジア域でも次世代型浮体式洋上風車のサプライチェーン内で、部品輸送などの事業機会獲得を目指す。

(藤原秀行)

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