清水建設とレンタルのニッケン、天井仕上げ作業を1人で完結できる「電動走行作業台」と「無線操作式資材揚重機」を開発

清水建設とレンタルのニッケン、天井仕上げ作業を1人で完結できる「電動走行作業台」と「無線操作式資材揚重機」を開発

作業台に乗ったまま移動可能、特別な資格不要

清水建設は11月2日、2024年4月に建設業で適用される時間外労働時間の上限規制を見据え、建築物の天井仕上げ工事の省人化・合理化に寄与する2つのアシスト機械をレンタルのニッケンと共同開発したと発表した。

電動走行作業台「スカイランナー」と無線操作式資材運搬・揚重機「スカイテーブル」。清水建設は両機を併用することで、天台足場を設けずに天井資材の運搬・揚重・設置作業を連続的に進められるようになり、天井仕上げ工事の作業効率が従前工法と比べて約20%高まるとみている。普及が進めば物流施設の建設円滑化も後押しできそうだ。

■スカイランナー・スカイテーブルを利用した天井仕上げ作業

天井設備工事や天井下地・天井ボード・天井内設備機器・天井器具の仕上げ工事は「天台足場」と呼ばれる移動式足場を利用して作業を進めるのが一般的。

天台足場を使う場合、面積が2~3㎡の足場を複数敷き詰めて作業スペースを確保するが、作業の進捗に応じてその都度移設しなければならず、設置・解体・盛替といった一連の作業に多大な時間と手間を要している。

そのため、両社は天台足場を使用しない天井仕上げ工法の実現と作業効率の向上を目指し、作業床を上昇させたまま次の作業場所へ移動できる電動走行作業台と、荷台の昇降や車台の移動を遠隔操作できる資材運搬・揚重機の開発にこぎ着けた。

両機をセットで活用すれば、スカイテーブルに搭乗した作業員が、天井付近での水平移動とスカイテーブルでの資材揚重を繰り返しながら、1人で天井仕上げ作業を完結できるようになると見込む。

スカイランナーは地上高1.95mまで作業床を上昇させられるのが特徴。上昇させたまま前後・左右に走行することが可能で、万が一脱輪しても車台の傾きを防止するポットホールプロテクターを標準装備している。作業床の最高の高さを2m未満に抑えており、安全帯を装着せずに搭乗できる。

スカイテーブルは最大200㎏までの資材運搬が可能で、荷上げの最高地上高は4.5mに到達。操作は無線ラジコンを介して行い、高所作業車のような特別な操作資格も不要。

両機はレンタルのニッケンのレンタル商品として他社のユーザーにも提供する。清水建設は両機を活用した天井仕上げ工事を標準化し、当該工事の生産性向上につなげていく考えだ。

■スカイランナー
<主要諸元>

■スカイテーブル
<主要諸元>

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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