米アマゾン、「ルンバ」のアイロボット買収を撤回

米アマゾン、「ルンバ」のアイロボット買収を撤回

欧州委が難色、承認得られる見通し立たず

米アマゾン・ドット・コムは1月29日、自動掃除ロボット「ルンバ」を手掛ける米iRobot(アイロボット)の買収方針を撤回すると発表した。

アマゾンは2020年8月、アイロボットを約17億ドル(約2200億円、負債分含む)で買収する方針を公表。アマゾンはアイロボットを傘下に収め、家電領域で革新的な商品の開発など事業を強化したい考えだった。

しかし、欧州連合(EU)の執行機関の欧州委員会が、自動掃除ロボット市場の競争環境を阻害する恐れがあるとの見方を示し、アマゾンのアイロボット買収に難色を示していた。今後も承認を得られる見通しが立たないため、買収を断念した。

アマゾンのデビッド・ザポルスキー上級副社長は同日、コメントを発表し「買収を進められなかったのを残念に思っている。不当で不釣り合いな規制のハードルは、買収を成功への道の一つと考える起業家の意欲を損ない、消費者と市場競争の両方に悪影響を及ぼす」と欧州委の対応を非難した。

一方、アイロボットは同日、アマゾンによる買収が破談となったのを受け、事業再編計画を発表した。コリン・アングル会長兼CEO(最高経営責任者)が退任し、後任にグレン・ワインスタイン副社長が暫定的に就くほか、全従業員の3割に当たる約350人の削減、外部企業への設計・製造委託による最大1億ドル(約140億円)の経費圧縮などを打ち出している。

(藤原秀行)

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