鴻池運輸が従業員の架空請求・横領発覚で決算発表延期、総額4.3億円計上

鴻池運輸が従業員の架空請求・横領発覚で決算発表延期、総額4.3億円計上

他の事例も調査継続

鴻池運輸は2月9日、従業員が架空請求・横領を行っていたことを確認したと発表した。

他にも不正行為をしていた可能性のある事例が複数見つかっており、調査に時間を要するため、同日に予定していた2024年3月期第3四半期(4~12月)決算の発表を延期した。開示できる時期のめどは不明という。四半期報告書についても、提出期限の延長を申請することを検討している。

同社は「当社の全てのステークホルダーの皆さまには多大なるご迷惑とご心配をお掛けする事態となりましたことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。

同社によると、大阪国税局の税務調査の過程で当該従業員が不正行為をしていた可能性があることが発覚。外部の専門家の協力を得ながら社内調査チームが調査を実施、不正を把握した。

当該の従業員は複数の取引業者と共謀し、複数回にわたり架空取引を実行。同社の社内調査の結果、自らが利益を得るため、総額約4億3000万円に及ぶ架空の外注費用などを計上、そのうち約5000万円を自分に還流、着服していたという。

他にも事例がないか全社的に見極めるため、昨年12月には内部統制調査委員会を組織、調査を継続してきた。さらに同委の機能を拡充し、再発防止策も検討することなどから、外部の弁護士を同委の委員長と副委員長に起用することを決めた。

(藤原秀行)

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