米デカルト・データマイン調査、中国も2桁のプラス
米調査機関デカルト・データマインが6月14日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、5月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比13.5%増の166万9151TEU(20フィートコンテナ換算)だった。
昨年9月から9カ月続けて前年実績を上回った。
米国の金利高や物価上昇が消費の重しとなり、2022年の後半から前年実績を割り込んでいたが、23年後半からは米国の個人消費が堅調なことや新型コロナウイルス禍で積み上がった在庫の調整が進んでいることなどが追い風となり、貿易が復調している。
全世界から米国向けの輸送量も5月は前年同月比11.8%増の234万4999TEUに達した。
10カ国・地域別の5月実績は、台湾とタイ以外の8カ国・地域が前年実績からプラスを達成した。シェア5割強で取扱量が圧倒的に首位の中国は12.3%増の96万5468TEUで、13カ月ぶりに前年実績を超えた昨年9月から9カ月連続のプラスとなった。
中国は不動産市況の悪化などで景気減速が伝えられており、今後貿易量の増勢を維持できるかが引き続き関心を集めそうだ。
取扱量2位の韓国は28.1%増の19万8539TEU、3位のベトナムは15.5%増の16万973TEU、4位のシンガポールは23.5%増の7万8390TEUなどとなった。日本は28.9%増の3万6471TEU。
5月の主要品目別実績は、上位10品目の全てがプラス。トップの家具類は16.2%増、2位の機械類は11.6%増、3位のプラスチックは13.3%増などとなった。
米国発アジア主要10カ国・地域向け(復航)の4月分は税関データが引き続き更新されていないため、公表していない。
(藤原秀行)