米中貿易摩擦など考慮、WTO「伸びの下振れリスクはまだ高い」と指摘
世界貿易機関(WTO)は10月1日、世界の貿易量予測を改定した。
2019年は前年比1・2%増で、今年4月に公表した従来見通しの2・6%増から1・4ポイント下方修正。20年の予想に関しても3・0%増を2・7%増に引き下げた。
改定に際しては、各国の経済成長率が現状で維持されることを前提とした上で、米中貿易摩擦などの影響を反映させた。WTOは「貿易量の伸びが下振れするリスクはまだ高く、20年の予測が実現するのは正常な貿易関係へ回帰していくことに依存している」と指摘している。
貿易量予測については、今後の経済情勢や緊張関係の変動に伴い、19年は0・5~1・6%、20年は1・7~3・7%の間で変動する可能性があるとみている。英国の欧州連合(EU)離脱に関しても、欧州域内に影響を及ぼすとの見方を示している。
19年上半期の貿易量は前年同期比0・6%増えたが、成長の勢いは減速している。
(藤原秀行)