ドローン「レベル4」解禁備え、機体の安全基準や操縦ライセンスの試験サンプルなど7月までに取りまとめへ

ドローン「レベル4」解禁備え、機体の安全基準や操縦ライセンスの試験サンプルなど7月までに取りまとめへ

官民協議会、制度整備・利用促進の方向性を取りまとめ

政府の「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」は4月20日、東京・霞が関で会合を開き、ドローンが有人地帯上空を補助者なしで目視外飛行できる「レベル4」を2022年末に解禁する準備を進めているのに関連し、ドローンの安全飛行を担保する制度の整備や利用促進の方向性について、これまでの議論内容を取りまとめた。

昨年6月に成立した改正航空法などに基づき、既に設立することが決まっている、国がドローンの機体の安全性を証明する「機体認証制度」や、ドローンを安全に操縦できる技能や知識を有していると認める「技能証明制度(操縦ライセンス)」の概要を固めた。併せて、ドローンを運航する際の共通ルールについても言及した。

機体認証制度は市街地の上空を飛ぶレベル4の場合の「第一種認証」とそれ以外の「第二種認証」に分け、7月までに機体の安全基準などを策定する。認証は型式と機体のそれぞれに設け、型式認証を取れば量産が可能になる。個々の機体が安全かどうかについて第一種は機体ごとに検査が必要だが、第二種は場合によって省略できる。認証は有効期間が3年だが、第一種の機体認証は1年とする。

技能証明制度は国が指定する機関が試験を実施し、国に登録した講習機関で講習を終えれば実地試験を免除する。各地で展開しているドローンスクールなどが役割を担うとみられる。

市街地上空を飛ばす場合の「一等操縦ライセンス」とそれ以外の「二等操縦ライセンス」に分け、レベル4を実施する際は一等ライセンスが必須。有効期間は同じく3年間で、23年の早期に一等操縦ライセンスの学科・実地試験を始められるよう今年7月までに講習機関の登録基準やドローン操縦士の教則、試験問題のサンプルなどを取りまとめる。

運航のルールに関する管理要件について、レベル4を含む全ての飛行に該当する共通のルールと、レベル4個別のルールをそれぞれ設定する。共通のルールとしては、飛行ごとに日時やルート、高度などの情報をドローン情報基盤システム(DIPS)経由で登録することや、事故を起こした場合は国土交通大臣に報告すること、自分が操縦するドローンで人が負傷した場合に救護する義務が生じることなどを列挙している。

機体認証制度や操縦ライセンス制度、運航管理要件のそれぞれにワーキンググループ(作業部会)を設け、有識者や関係団体などの意見を基に、それぞれの制度の細かな内容を決定する。今年12月をめどに各制度を施行したい考え。

この日の会合では、今年6月にスタートするドローンの機体登録制度の準備状況についても説明があった。昨年12月に事前の登録受け付けをスタートして以降、これまでに8万機弱が登録を済ませたという。

(藤原秀行)

協議会の資料はコチラから(首相官邸ホームページ)

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