ティアフォーと米カーネギーメロン大、運輸省Safety21と連携し自動運転「レベル4+」実現目指す

ティアフォーと米カーネギーメロン大、運輸省Safety21と連携し自動運転「レベル4+」実現目指す

日米で実証走行へ

自動運転技術の開発を手掛けるティアフォーは4月25日、自動運転の「レベル4」(特定の条件下での完全自動運転)からさらに進化した「レベル4+」という新たな概念を提唱し、実現に向け、自動運転システム発祥の地として知られる米カーネギーメロン大学(CMU)と戦略的協業を開始したと発表した。

ティアフォーは「従来のロボティクス技術と最先端のデータ中心型AIを統合したハイブリッドアーキテクチャを共同で構築し、自動運転システムのスケーラビリティ、説明可能性、安全性をそれぞれ飛躍的に高めるとともに、エンボディドAIによる意思決定プロセスの透明性と、その根拠を後から検証できる仕組みを確立し、実社会での信頼ある応用を目指す」と狙いを語っている。

 
 

協業はCMUのRaj Rajkumar(ラジ・ラジクマール)教授が主導する、米運輸省の全米大学交通センター「Safety21」と連携し、取り組みを強化する。

ティアフォーはSafety21のアドバイザリー・カウンシル(諮問委員会)にも参画し、オープンソースソフトウェア「Autoware」(オートウェア)を通じて、価値と社会的意義を発信しながら、自動運転における安全性とユーザー体験の両立を実現する研究開発を推進する。


ティアフォーの加藤真平CEO(最高経営責任者)(左)とラジ・ラジクマール教授

ティアフォーは、「レベル4+」はSAE J3016で定義されるレベル4とレベル5(完全自動運転)の中間に位置付けられると説明。人間の役割においてはレベル4に準拠しつつ、システム機能においてはレベル5の概念を部分的に取り入れ、未経験のシナリオを含む運行設計領域(Operational Design Domain、ODD)を柔軟に定義しで、幅広い環境における自動運転を可能にすることを目指しているという。


SAEで定義された自動運転レベルに対する「レベル 4+」の概念的な位置付け


「レベル4+」に関連する戦略上・戦術上・操作上の機能の模式図

 
 


「レベル4+」の実現に向けたハイブリッドアーキテクチャの構成要素

本プロジェクトは3年間の計画で進められ、初年度には「Autoware」ベースの自動運転機能を搭載したリファレンス車両を開発し、東京とピッツバーグで実証走行を行う。この車両は、実環境でのデータ収集やクローズドループによる検証・評価、公道での実証実験に活用し、得られた知見は「Autoware」およびオープンソースコミュニティに還元する。

2年目以降は、ハイブリッドアーキテクチャの実用化に向けたシステム安全技術の確立に取り組み、自動運行装置の認可や特定自動運行の許可の取得に必要な安全性評価の体制整備を進めることで、信頼性の高い社会実装を支える基盤技術の確立を図る。

(藤原秀行)※いずれもティアフォー提供

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