1審は請求却下・棄却
乾汽船は6月29日、筆頭株主の投資会社アルファレオホールディングスが会社法に基づき東京地裁に提起していた、乾汽船の株主総会での決議事項を取り消すよう求める2件の訴訟について、アルファレオが1審の敗訴を一部不服として、控訴したと発表した。
アルファレオは訴訟で、2019年6月の定時株主総会で乾康之社長ら取締役5人選任、買収防衛策導入など同社提出の4議案を全て可決した一方、アルファレオが提出したとみられる、配当額を乾汽船の提示額から上積みするよう求めた緊急動議を否決したことを全て取り消すよう要求。
また、20年6月の定時株主総会で同じく乾汽船側が提出、可決したアルファレオ側に経営状況などの情報提供を要請することなど3議案についても取り消すよう求めていた。
乾汽船によれば、2つの訴訟は併合審理され、4月8日に判決が出た。東京地裁は19年6月の定時株主総会での取締役選任決議取り消しの部分は却下し、それ以外の請求はいずれも棄却した。アルファレオは4月21日に控訴したという。
控訴は、買収防衛策導入の決議などを取り消すよう、あらためて要求している。
(藤原秀行)