長い航続距離など実現目指す
三菱ふそうトラック・バスは5月21日、岩谷産業と液化水素を利用した水素燃料商用車（FCV）向けの水素充填技術の研究開発に関する基本合意書を締結したと発表した。
両社は新たな液化水素の充填方法「サブクール液化水素（subcooled liquid hydrogen:sLH2）充填技術に関する研究開発を共同で進める。
sLH2充填は液化水素をポンプで加圧しながら車両に搭載している液化水素タンクに充填することで、液化水素タンク内のボイルオフガス（蒸発した水素ガス）を再液化する。圧縮水素ガスと比較して、水素燃料のより高い貯蔵密度、より長い航続距離、充填時間の短縮化、より低い運用コスト、より高いエネルギー効率といった面で優位性を持つ。
両社はsLH2充填に関する技術、規制及び商用化に関する共同研究を進め、sLH2充填技術を日本で確立していきたい考え。
長距離輸送を中心に重量物運搬を行う商用車のカーボンニュートラル化を実現する上で、水素燃料は重要な手段であるとみられており、水素は従来、圧縮ガスとして車内に貯蔵する形で用いられている。
（藤原秀行）
