日本郵船グループが国内企業初、バイオディーゼル燃料向け酸化防止剤を発売

日本郵船グループが国内企業初、バイオディーゼル燃料向け酸化防止剤を発売

添加で劣化速度が約半分に、燃料の有効活用図る

日本郵船は5月21日、グループで化学技術関連の研究開発や化学製品の開発・製造・販売を手掛ける日本油化工業が8月10日、船舶向けバイオディーゼル燃料用の酸化防止剤「BioxiGuard(バイオキシガード)」を発売すると発表した。

両社によると、日本企業としては初めてという。

 
 

バイオ燃料は穀物や廃食油をはじめとした多様な原材料から生成しており、海運業界の低・脱炭素化に寄与するため、海運業界で注目度が高まっている。

しかし、バイオ燃料は従来の石油燃料に比べて酸素と反応しやすい不飽和脂肪酸を多く含み、酸化しやすい。酸化劣化したバイオ燃料は、酸性物質やスラッジ(泥状の廃棄物)の発生、発熱量の低下による燃費の悪化を引き起こすため、酸化劣化を防ぐことが重要となってくる。

バイオキシガードは日本郵船の運航船が使用したバイオ燃料の性状分析などを基に、日本油化工業が開発した。バイオ燃料へ添加することで、酸化安定性を向上させ、酸化劣化の進行を遅らせることができるという。

加えて、燃料の酸化劣化によるトラブル(金属腐食やストレーナ閉塞、清浄機汚損)を防止し、発熱量の低下に伴う燃費の悪化防止に寄与できると見込む。

日本油化工業の研究所で行った実験では、同製品の添加で、添加しない場合よりバイオ燃料の劣化速度が約半減したという(500分の1添加時)。


実験データ

 
 

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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