【現地取材・独自】関西物流展、旺盛な物流施設需要を反映

【現地取材・独自】関西物流展、旺盛な物流施設需要を反映

主要デベロッパーが出展、ソリューションでも競う

西日本では最大規模となる物流関連の展示会「第4回関西物流展」が4月12~14日の3日間にわたり、大阪市の「インテックス大阪」で開かれた。過去最多となる361社が出展。新型コロナウイルス感染拡大下で制限されてきた展示会活動が本格的に再開されたこともあり、多数の来場者が現地を訪れた。

会場では、主要な物流施設デベロッパーが出揃い、関西を軸に西日本で竣工していたり、建設を進めていたりする賃貸物流施設を紹介。国内経済は先行きに不安な材料があるものの、関西エリアでも物流施設需要が引き続き旺盛なことを反映していた。

併せて、物流施設だけにとどまらず、テナント企業をサポートするための多様なソリューションを提案。デベロッパーが「ソリューションプロバイダー」としての役割を求められていることをあらためてうかがわせた。


盛況だった会場

大和ハウス工業は、創業の地・関西で積極的に物流施設開発を手掛けている姿勢をアピール。担当者は「関西は需要が旺盛で、近年開発物件数も増えている」と前向きな見方を示す。兵庫県川西市で今年9月竣工予定の「DPL兵庫川西」(延床面積8万9065㎡、賃貸面積7万2281㎡)は、グループの準大手ゼネコン、フジタと組み、近年需要が高まって用地の取得競争が激しくなっている関西内陸エリアでの開発を実現した点をアピールしている。


「DPL兵庫川西」のイメージ(大和ハウス工業提供・昨年2月公表時点)

東急不動産は、京都府城陽市で進めている、日本初となる高速道路ICに直結したエリアで開発を検討している物流施設のプロジェクトなどについて展示。プロジェクトは三菱地所なども参加しており、将来のダブル連結トラック利用拡大や隊列走行トラックの自動運転実現をにらんだもので、東急不動産の担当者は「非常に関心が集まっている。開発のスケジュールはまだ確定していないが、2~3年以内の着工を目指している」と明かす。


京都・城陽市の開発プロジェクトのイメージ(三菱地所提供・昨年2月公表時点)

住友商事は、京都府久御山町で進行中の「SOSiLA(ソシラ)京都久御山」をアピール。京滋バイパス久御山ICと第二京阪道路の久御山南ICから約1.5kmで24時間稼働可能な工場・倉庫集積地に立地している都市型物流施設の利点を強調している。物流現場の要員配置可視化・最適化アプリケーション「スマイルボードコネクト」も併せて展示するなど、テナント企業サポートの姿勢を積極的に訴えている。


SOSiLA京都久御山のイメージ(住友商事ウェブサイトより引用)

他のデベロッパーも、関西エリアの物流施設開発案件の紹介にとどまらず、テナント企業の物流効率化支援までに踏み込んでいる。プロロジスは昨年6月に公表した、2040年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出のネットゼロを達成するとの目標「NET ZERO BY 2040」に基づき、物流施設へのEV(電気自動車)充電設備導入などでテナント企業の脱炭素を後押ししていくことを強調。

日本GLPは2024年8月、大阪府茨木市で、先進的機能を持つ大規模な物流施設を特定エリアで複数開発するプロジェクト「ALFALINK(アルファリンク)」で関西初案件が誕生することをPR。テナント企業などの物流施設利用にとどまらない、労働力確保やトラック確保といった多様な悩みの解決に貢献する「コンシェルジュサービス」も全面に打ち出した。東京建物は、太陽光発電設備などを活用した「環境配慮型物流施設」を開発の基本に据えていることを説明した。

(川本真希、藤原秀行)

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