三洋化成、寒冷環境でも性能低下防ぐ大豆油・パーム油由来のバイオディーゼル燃料向け低温流動性向上剤を開発

三洋化成、寒冷環境でも性能低下防ぐ大豆油・パーム油由来のバイオディーゼル燃料向け低温流動性向上剤を開発

フィルターやポンプの目詰まりリスク低減見込む

三洋化成工業は5月7日、バイオディーゼル燃料(BDF)用の低温流動性向上剤「ネオプルーバー」に関し、大豆油とパーム油由来のBDFに最適化した「ネオプルーバー HBF-201」「ネオプルーバー HBF-301」の2種類をラインアップに追加したと発表した。

原料油脂の種類によって異なる低温特性や析出挙動を考慮し、特定のBDFが持つ条件を想定して設計。研究段階で性能確認・適用条件の検討を進めており、原料の異なるBDFに応じて、より適切な低温流動性向上剤を選べるようにする。



現在主流となっている脂肪酸メチルエステル(FAME)系BDFは低温の環境下で脂肪酸由来成分が結晶化しやすく、流動性の低下やフィルター閉塞を引き起こすという課題を抱えている。

BDFは地域ごとに使う植物油が異なり、流動性向上剤の効果にも差が生じる。特に主要原料の大豆油とパーム油は脂肪酸組成が大きく異なり、低温時の結晶生成挙動にも差があるため、それぞれの原料由来BDFに適した低温流動性向上剤の設計余地があることが判明。

中でも、パーム油由来BDFは飽和脂肪酸が多く結晶化が進みやすいため、低温流動性改善が難しいのが実情だった。同社はそうした課題をクリアするため、新たなラインアップの開発にこぎ着けた。

今回開発した2種類は大豆油およびパーム油由来BDFの脂肪酸組成や結晶生成挙動の違いに応じて、ワックス結晶の生成・成長・凝集を抑制するよう最適化。添加することで低温流動性の指標となっている目詰まり点(CFPP=Cold Filter Plugging Point)がいずれのBDFでも低下し、開発品の有効性を確認できたという。

開発に際しては、社内で独自に整備したマテリアル・インフォマティクス(MI)により、統計解析や機械学習などのデータ科学を取り入れることで、材料設計の最適化を効率的に行ったと説明している。

寒冷環境でも燃料の性能を向上させられるため、車両や機械の安定稼働につながると期待。フィルターやポンプの目詰まりリスクを低減し、メンテナンス負荷を軽減できることなどもメリットと強調している。



今後は各地域の原料特性に応じた適用提案を進める予定。


原料の異なる主要BDFに対する同社の低温流動性向上剤の添加効果(三洋化成工業提供)

(藤原秀行)

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